ある会社での出来事。
お局様と呼ばれる人がいて、中年の男性社員は、本人に聞こえるようによく悪口を言っていた。
「モテないくせに」
「ブスのくせに」
「未婚のくせに」
別に、モテなくても未婚でも、仕事には支障がはずだが、どんなに嫌がらせをされても彼女は辞めなかった。
「ブスだから」という理由でイジメるほど大人は単純じゃないので、不仲の原因は私が入社する前に何かあったらしい。
巻き込まれくないので、私はなんとなく避けていた。
若い女性にお局様が嫉妬しする構図は男性から見た先入観にすぎず、イジメられているのは、逆にお局様のほうだった。
コロッケ事件
ある日、お局様が私のところにまっすぐ歩いてきたので、怒られるのか?と身構えたら、「食べる?」と、机にコロッケの袋をポンと置いて去って行った。
突然すぎる。
今までほとんど話したことなかったのに。
心理学の話に「部下にドーナツを差し入れすると、1人100円程度で人間関係がよくなる」みたいな事が書いてあった。
しかし、お局様はそんな打算的な人ではない。
お局様はおしゃべりが大好きで、お客様とよく談笑していた。
話が長いのが周囲に疎まれている理由の一つだが、この新入社員はおしゃべりに付き合ってくれそうだな?と判断して、お近づきの印だったんだと思う。
エサで手なずける
食べ物にすぐつられる子だったので「いい人じゃん!」とニコニコ顔になってたら、その後も、外回りにいくたびに何か私にいろんな差し入れを買って来てくれた。
ちょっと太った。
仕事じゃない時、外でばったり出くわして「あ、こんにちわ」って挨拶しただけなのに、
「これ、持っていきな!」とでかいケーキを渡された。
なんで偶然会う日にケーキ持ってたのか。タイミング良すぎ。
敵対せず、恐れず、依存せず、媚びず
たまたまこの人からは気に入られてオヤツ貰ってたけど、もちろん気が合わない人もいた。
全ての人に愛されるのは無理な話なので、相性の問題と思うことにした。
相性と割り切ってしまえば、仕事関係の人には「やだなあ」と思いながらも話しかけることができる。
文脈上わかりやすいよう「お局様」となっているが、普段は「お局様」とは言っていない。
「ブスのくせに」と子供のようないじめをする中年男性を、私は冷ややかな目で見ていた。
敵は作らないようにしよう
バイトしても、フリーで仕事しても、人との関わりは避けられない。
A社で嘘をついてトラブルを起こした人が、B社でなぜか噂になっていることがあった。
A社とB社のスタッフが友人同士だった。
友人ではなくても、実は下請けだったり、取引先だったりすることもある。
友人を作るのは難しくても、敵を作らないのは簡単。
嘘をつかないことと、人の悪口を言わないこと。
いじめていた側が、何かのきっかけで逆の立場になることは珍しくない。
中立を貫くが暴力には屈しない
仕事は勝ち負けじゃないので「嫌いな奴を負かしてやりたい」とか、変な裏工作をするのは時間の無駄だ。
どこに行っても、自分と合わない人は一定数いるので「そんな人もいる」くらいに思っている。
「こいつ、ひどい扱いしても言い返してこないぞ」と思われても良い事は一つもないので、パワハラっぽいことをされたら、早い段階で、けが人が出ない程度にブチ切れ芸を披露する。
所詮たかが仕事。
「たかが」って言うと不真面目な感じがするけど、一生寝食を共にする相手じゃないんだし、いつでも辞めればいいんだし。
一生、24時間365日ずっと付き合うわけじゃないんだから、もっと軽く考えれば良い。
コメント