ちゃんぽん

母を病院に連れて行った日は、検査と治療が一通り終わった後、病院内のレストランで食べて帰るのがお決まりだった。

チェーン店のファミレスが入っていたので、健康な人向けのメニューが多く、塩分も量も多めで、本当に体調が悪い日はほとんど食べられず、食べられる日は何よりも喜びだった。

最後にその店で二人で食べたのはちゃんぽんだった。
結構なボリュームだったけど、母はペロリと平らげた。

ちゃんぽん
お店のちゃんぽんです

私の仕事は帰る時間が遅かったし、仕事を辞めた後は母の看病につきっきりになっていたので、とにかく時間に追われて、自宅でゆっくり料理をする状況ではなく、出来合いやテイクアウトをよく利用していた。

葬儀直後は仕事もなく、時間をもてあまし、作った事がないメニューにも挑戦してみようと思った。
何かやっていないと、暗い気持ちに支配されてしまうので、ブログも始めた。
生前、母に「ちゃんぽん作ろっか?」と言ったら、「エビやイカなど具材がたくさん入っていなければ、ちゃんぽんにあらず」と言われ、殻むくの時間かかるなぁ、億劫だなあ…と作らず仕舞いだった。

日清のチャンポン

母を失って2度目の冬、家にあった具材でちゃんぽんを初めて作った。
お店のちゃんぽんを思い出すと、具材はエビ、イカ、あさり、かまぼこ、豚肉は少しだったので、私のちゃんぽん、豚肉とキャベツが多すぎて、スープが足りてない。

ダシから取ったわけではないので「作った!」と威張って言えるような物でもないが、こんなに簡単に出来るんだったら、億劫がらずにもっと早く作れば良かった。

見栄えは良くないけど、NISSINのちゃんぽんの素のおかげで、味はお店とほぼ同じになった。
とても寒い日に、濃いめのスープと暖かさが沁みて、一人で感動しながら食べたような気がする。

もう取り返しがつかないのに「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と後悔する人は多いだろう。
美味しい物を見つけるたびに、母にも食べさせたかったな…と思う。
後悔するだけではなく、「こんなことも出来るようになりました」と考え直し、新しいカードを拾い集めていく感じでこれからの人生を歩んでいこうと思う。

ちゃんぽん

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