介護と仕事が両立が出来る会社の見分け方

ベテラン社員

50代のAさんは自宅で高齢のご両親と同居。

特別養護老人ホームへは、1年以上待たなければ行けない状況だったので、介護サービスを利用しながらフルタイム(残業あり)で勤務していた。

そして認知症で要介護5になったのをきっかけに、短時間勤務の希望を出したら、正社員からパートに降格して、給与は最低時給になった。

過去に介護を理由とした短時間勤務の前例がなく、従業員に配布されている賃金規定にも「介護の場合」の項目はなかった。

厚生労働省が定める「介護休業制度」で「短時間勤務等の措置」の項目があるが、賃金については勤務先にゆだねられている。

気になるのは、男性上司が従業員全員に一部始終を公開をしたことだ。

以前Aさんから、介護の愚痴を1〜2回言われたことがあったが、全員には言っていなかったと思う。

Aさんは短時間勤務をしばらくした後、施設も見つかり、定年間近で退職した。

親の介護をしていた独身男性

Bさんという、親の介護でよく休んでいた男性社員(独身)がいた。
ある日、別の男性社員が会社で雑談をしていた。

俺はBに「嫁さんをもらえよ。嫁さんがいれば介護が楽になるじゃないか」って言ってたんだけど、あの人、介護でとうとう頭がおかしくなって、会社に来なくなったよ。

立派な身なりをした人が、大きな声でこんなことを言っている会社はダメだと思った。

Bさんは別の部署なので直接話したことはなかったが、気の毒でたまらなかった。

介護含むデリケートな問題は、当事者と人事だけで話をすすめると思っていたが、実際は筒抜けだった。

年に1回健康診断を受けるが、結果が悪かった人は、皆の前で読み上げられていたので、もし自分が病気になった時は「あの人の病気は○○だ」と全員に知れ渡るだろう。

私はすべての検査結果が良好だったので自信があったが、人間どうなるかわからない。

誰だって、突然障害者になってしまう可能性はあるのに、他人事と思っているから、軽々しく人前で言うのだ。

全員仲良しというわけではなくて、ほとんどがお互いに無関心で、誰がいつ結婚したかも知らない。

退職する時だけ、なぜか詳細に発表される。

今は男性でも親の介護をする時代だが、上司が団塊世代の昭和の感覚で生きているので、下の世代との価値観のギャップは埋められない。

氷河期世代の男性でも、運良く管理職になれたような人たちは団塊世代の影響を色濃く受けている。

「介護は誰でも出来る」と言う人ほど自分はやらない

昔の既婚男性は、家族の誰かが要介護や病気になっても、すべて奥さん任せだった。

病院に連れて行き、介護サービスを自分で調べ、手続きし、それ自体に対価が発生しない「責任重大な雑用」に時間を取られ、精神を削られ、へとへとになっても、当事者以外には「よく休んでるよね」と言われる。

パワハラはない、いじめもない、仕事もだいたい覚えた。
でも、ここにはいられないと思った。
介護が始まる前に、私が健康診断で何か異常が出る前に、辞める方法はないか?とずっと考えていたら、景気悪化で経営不振となり、あっさりと解雇された。

正直ホッとした。

福利厚生と上司の人間性

60代のリーダーが50代、40代に変わっても、昭和と同じ価値観を持っている事はよくある。

人手不足と言いながら、病気の人、障害者、働きながら介護する人、結婚して育休を取る人は会社にはいらない、賃金が安くすむ若い人しかいらない。

長年の実績により経営が安定しているので、若い人にとっては、ぬるくて働きやすい環境だ。

無防備に生きていられるのは、ほんのいっとき。

誰しも、いつ介護が必要になるかわからないし「もしも」のことを質問した時に、きちんと答えられる人がいるのが理想。

それとなく逃げられたら、早めに転職を考えよう。

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